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S様邸 築147年の伝統的家屋を古民家再生リフォーム(米子市 立町)浴室・脱衣室・寝室 編
リフォームに至った一番のお悩みの「下足を履いて行かなければならないお風呂場」をいよいよ居室空間とドッキングします。
台所を表通り側へと大胆に場所移動し、居室及び廊下から直接行き来できるようになりました。
浴室の手前に脱衣室を設け、脱衣と同時に洗濯できるランドリールームともになり、物干場へ直接出入りできるように勝手口を設けました。
天気が悪く、外で干せない時のためにランドリーパイプを取り付けました。もともと使用されていた浴室暖房乾燥換気扇を脱衣室に再設置することで、冬場の寒い時でも快適に入浴出来ます。
そして壁を無駄なく利用し、多目的に使える可動棚を設けました。
化粧品や洗剤などの他、衣服やタオルなどを仕分けしやすくできる便利なアイテムです。
浴室はタイル張りのお風呂からユニットバスへ。
お風呂に入るたびに美肌に変わっていくという「Panasonic 酸素美泡湯(さんそびほうゆ)」の美人機能を取り付けました。
酸素を含んだ泡が出てきます。お湯がとてもまろやか。10分~15分間入浴するだけで、お肌ツルツル、体もぽっかぽか。入浴剤を入れなくてもミルキーな肌触りで、快適に入浴頂けます。
給湯器も節約型のフルオートタイプに取り替えました。お湯の出し忘れも無く、追焚機能で賢く沸かします。
また、給湯器リモコンを台所と浴室に取り付けることで通話ができるようになりました。これは町家の細長~い間取りでは浴室から声を掛けても聞こえないことが多く、緊急時などの対策にもなります。
浴室が完成して初めて使って頂いた翌日には、浴室内に小説が置いてありました。プライベートな時間を楽しんでおられたんでしょうね。
そして、台所であった残りのスペースをお母様の寝室に改造しました。ここにはもともとあった小屋裏部屋につながる階段があり、お孫さんが来られた時には忍者屋敷みたいで遊び場になっていたみたいです。騒がしい表通り側から静かな場所へ移動してもらい、静かな場所でお孫さんたちと一緒に寝ていただけますね。静かな場所でありながらも断熱と調湿はしっかりと、天井・壁・床全面に敷き詰めました。通路につながる出入口の木製建具も複層ガラスの断熱サッシに取替し、防犯性能も良くなりました。
浴室だった空間は収納空間に変わりました。全体的に押入れなどの収納する場所が少なく、独立した蔵を使用されていましたが、そこもほぼ100%近く収納されていました。多目的に収納できるようにガッチリした棚を組み、蔵のように貴重品などがしまえるように戸締まりが出来るサッシに取り替えました。
もともと、お客さんを迎える中の間「常居(ジョイ)」から中庭まで続いている土間通路も京町家の雰囲気を感じさせる内観に仕上げました。
時を経て深みが出た豪快な梁などを洗い、壁は藁すさをふんだんに使い、特殊な塗料に混ぜて吹付け、荒壁風に仕上げました。土間はセメントモルタルに黒い色粉を混ぜ、木鏝で荒く削るように押さえ、島石を敷き詰めた石畳風に仕上げました。
全体的に設備機器も使いやすい節約タイプに変わり、今後の加齢対策の為、床の段差解消はもちろん、全ての出入口を引戸化にされました。
S様の理想の暮らしや空間へのこだわりを語り、商品を選び、迷う楽しさや濃厚なお打ち合わせにより「我が家」を一緒に創り上げることが出来ました。
これからも末永く、心地よい空間が家族をつつみ、時代の思い出を刻みながら時を経るほどに深みを増す、「古民家」として次世代へと引き継がれていくでしょう。
先日、6ヶ月点検で訪問した際、住環境が変わったご様子を拝見させていただきました。
とても綺麗にされており、多目的な収納や棚を上手に使っておられるようでした。
寒い冬が終わり、暑い夏が近づいてくる頃の住環境が昨年と、どの程度変わったか感想をお聞きしました。
「冬は夜、仕事から帰っても朝の温もりが残ってるくらい保温性があります。」
「夏に近づき外は30℃近くなってきても、エアコンを使わなくてもヒンヤリしてます。」
そして嬉しそうな笑顔で「お風呂が新しくなってから、温泉に行かなくなりました。」と満足しておられたご様子でした。