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S様邸 築147年の伝統的家屋を古民家再生リフォーム (米子市 立町) 中の間 「常居」 編
玄関から奥に進むと、タイムスリップしたような神棚を備えた中の間「常居(ジョイ)」が見えてきました。
もともとお客様を迎えるための場所でした。表から裏まで通り土間が通っていますので、表を開けると冬場は冷気が通り抜け、室内の温度が急激に下がっていたんじゃないでしょうか。
表に玄関を設けましたので、ここは神さんをまつるためだけの贅沢な空間となりました。
この場所は家の中心部であり、各部屋からここを中継して玄関へ、または車庫へと続いていくことになります。
お出掛けされる際はここで神前に向かい「二礼二拍手一礼」と身も心も清められてたことでしょう。
147年の間、家族のくらしと家業を支えてきた神棚をこれから先も大事に保存して頂きたいと思います。
室内温度の変化を軽減するように、風除室のようにガラス戸で区画しました。歴史をそのままショーケースの中に閉じ込めたようなイメージでご提案しました。
夏は全開にすると心地よい風が通り抜けるように、季節に応じて使い分けて頂けるようにご提案しました。
また、このガラス戸もガレージの格子戸と同じように、一枚のガラス戸を動かすと連動するように工夫しています。
区画することで通り土間の埃が部屋内に入りにくくなったと思います。
これで年末の大掃除も楽になり、お正月の神飾りは今までとは違う快適な場所で飾れますね。
照明も神棚と高い吹抜けの天井がライトアップされるように広角型の提灯を天井から吊下げました。
和紙を透かしたやわらかなあかりで歴史ある和空間を幻想的に演出することができました。
ー 次回に続く ー