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古民家再生 I様邸 築133年の伝統的家屋を再生 Vol.2
明治9年登録(築133年)の伝統的な日本家屋I様邸。5月中旬に着工して1ヶ月が経過しました。
解体作業が終了し、133年の歳月が育んだ豪快な小屋組の姿を現しました。
予想以上の剛健な小屋組。長年の塵や埃を取り除き、磨き上げていきます。下階から間接照明でライトアップすることで威風堂々と古民家の個性を際立たせることでしょう。
解体作業を進めていくと骨組みが現れてきました。
それは133年間、家を支えてきた大黒柱や土台が老朽化により痛んでおり、このままの状態で作業を進めていくのは困難と判断しました。そこで再度、設計者の杵村建築設計事務所の杵村優一郎氏に構造診断をしてもらいました。
家の主構造部である梁、柱、土台の腐食した部分を取り替え構造金物で補強しました。屋根を残したまま梁や柱を取り除く作業は高度の技術を要します。慎重に大工職人によって構造体を復元することができました。
そして、鳥取県西部地震の際に傾いた部分も、何台もの油圧ジャッキで家を浮かしたまま、それを支える頑丈な基礎を造って固定し、元に近い状態にまですることができました。昔の家屋は石を並べてその上に乗せている構造です。
その石を取り除き、現在の基準に適合した鉄筋コンクリートの基礎に変更する工法です。また、屋根の調査も行いました。当然、古い瓦で葺かれており、経年劣化で割れている瓦が見られました。
現在の防災瓦とは形状が違う為、部分的に直すことが出来ず、全体を葺き替える結果となりました。これから先、何十年も家屋を維持するためには正しい決断でしょう。今後、家屋全体のバランスを考え、耐震補強作業に移ります。
8月号では生まれ変わった基礎、骨組み、屋根がご覧頂けます。そして新たな間取りになるため、壁を配置。木製だった窓もアルミサッシに全て取り替えて、次に外装作業と内装作業に移っていきます。
「100余年の歳月を越え、現代に蘇る住宅再生」それがマツヤの匠の技です。
来月号に続く。乞うご期待。